ジュラシック・パーク Wiki
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概要[]

ケナー・プロダクツ(Kenner Products)は、かつてアメリカに存在していた玩具会社である。

ケナー誕生、その黎明期[]

1946年、オハイオ州にてシュタイナー兄弟によって創立された。 社名の由来は最寄駅にあった通りの名前で、50年代ごろから玩具開発を開始。 当時としてはまだ珍しかったテレビ媒体を使っての宣伝が有名で、今ではごくありふれた手法である、テレビコマーシャルを用いての販促を行った先駆者として知られている。

開発部を設立して早々「バブルマティック」と呼ばれる泡を吹くおもちゃの銃や「ガーダー&パネル・ビルディングセット」[1]などの商品を次々に発売。 独創的なマーケティングスキルを発揮して宣伝に力を注いだものの、その時代を先取りした手法は消費者の胸にはさほど響かなかったようで、大きな売上には繋がらなかったという。[2]

1960年代頃に大手食品メーカーであるゼネラル・ミルズ社に買収され、そこの傘下であったパーカー・ブラザーズ[3]と合併。 「ケナー・パーカートイズ社」となって心機一転、再出発を切った。

ケナー最盛の時代[]

玩具会社としてイマイチ伸び悩んでいたケナー社にとって最大の転機となったのは、映画「スターウォーズ」の玩具開発を引き受けた事である。

今でこそ不朽の名作として世界中で愛されているスターウォーズであるが、驚くべきことに公開前における映画の評判は芳しくなく、中には「興行的に失敗する」と見なす者までいるほどだった。 そんな下馬評最悪な映画の関連玩具を販売するなんて計画を立てたところで、どこの企業も当然請け負ってくれるはずもなく、あちこちたらい回しにされた関係者一同は途方に暮れたという。 そんな誰も彼もがダークサイドに堕ちる瀬戸際となっていた中で、この映画の秘めたる可能性を感じたケナー社のみが唯一、販売権を獲得するに至り、映画公開後は皆さんご存知の通り世界的な大ヒット作品となったことから、関連商品は飛ぶように売れたという。

中でもスターウォーズのアクションフィギュアは老若男女問わず幅広い支持を集めた大ヒット製品となり、あまりの人気ぶりに生産が全く追いつかない状態になったという。 ついには予約用に拵えた単なる空箱ですら購入する者まで現れるほど玩具は売れに売れまくり、ケナーの懐を大いに潤わせた。[4]

これに味を占めたのか、ケナーはこの後も様々な映画やコミックスの権利を獲得。 ゴーストバスターズ、ジュラシック・パーク、バットマンなどを題材にした玩具を次々に発売。 それらも見事に大ヒットを記録するなどして一躍、玩具業界のトップスターとして君臨。 スターウォーズが公開していた70年代はまさにケナー社の黄金期であり、名実ともに玩具メーカーの頂点に腰掛ける絶対的王者となっていた。

衰退期[]

しかしそんな黄金の日々も長くは続かず、1987 年にトラックのミニカーを販売している会社こと「トンカ」に買収され「ケナー・プロダクツ」となって以降は、他の玩具メーカーに押される事が多くなっていった。

主力である映画版権の玩具についても年々不調が続いており、中でも1997年に発売したロスト・ワールド/ジュラシック・パークを題材にした玩具シリーズ「Jurassic Park: Chaos Effect」に至っては、当初の見込みを大幅に下回る売上で終わるという大損害を記録。 会社の経営を大きく傾けたとされている。 この玩具の不振によって本来予定されていた玩具の販売がキャンセルされ、当初シリーズ化する予定だった「Chaos Effect」自体も計画が白紙。 リリースを予定していたほとんどの玩具が発売中止に追い込まれるなど、かなりひっ迫した状況に見舞われていた。[5]

そんな崖っぷちのケナー社であったが、ここに来て救世主が舞い降りる。 なんと完結して数十年の時が経っていたあのスターウォーズの続編が久しぶりに公開される運びとなったのだ。 これを一世一代のチャンスと睨んだケナー社は、なんとあろうことか発売前から過剰に玩具を生産するという暴挙に出た。 かつて飛ぶように売れた成功体験がこの姿勢を後押ししたのだと思われるが、ケナーの予想に反してフィギュアの売れ行きは全く伸びず、売れると見込んで製造していた玩具が倉庫を逼迫。 大量の余剰在庫を抱えるという最悪の事態に見舞われてしまった。

かつて会社を繁栄させたスターウォーズが、今度は会社を滅亡の危機に追いやる存在へと変貌するとは何たる皮肉としか言いようもないが、とにかく過剰な在庫を抱えたケナー・プロダクツは、あれよあれよと言わぬうちに衰退。 玩具界隈を席巻した姿は最早、見る影もなくなっていた。

晩年[]

2000年、かねてよりパートナー関係にあったハズブロ社に吸収合併。 これによってケナー・プロダクツおよび計画されていた玩具レーベル等は完全に消滅した。

ただケナーが販売していた玩具は今でもマニアの間でカルト的な人気があるらしく、ハズブロ社も時たま当時の玩具を復刻したものを発売していたりしている。 また長年ライバル関係にあった玩具メーカーの大御所マテルも近年、当時リリースされていた玩具によく似たデザインの製品を発売するなど、消滅してもなおその意志は生き続けている。

シリーズにおける関わり[]

ジュラシック・パークからロスト・ワールドまでのシリーズ玩具を取り扱っており、以下の製品が発売および計画されていた。

なお以降は、吸収合併元であるハズブロ管轄での発売となった。

出典[]

  1. 日本でいう立体パズルみたいな玩具
  2. この時の宣伝用に生み出されたのが、ケナー社のマスコットである「ケナー・グーニー・バード」であり、セサミストリートに登場するキャラクター「リトルバード」の原型になったとされている。
  3. モノポリーを開発した事で知られる会社。
  4. ただ、その一方で「上層部の面々は玩具販売に消極的だった」という話も存在する。
  5. この時キャンセルされた商品の中には、現在でもカルト的な人気を誇る恐竜「アルティマサウルス」も含まれていた。

関連項目[]

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