概要[]
ジュラシック・パークⅢ(小説)は、映画「ジュラシック・パークⅢ」のノベライズである。
内容について[]
発刊当時、公開されていた映画「ジュラシック・パークⅢ」を原作としたノベライズ。北米にて発売されたのち、日本でも翻訳版がリリースされている。
著者は、前二作を執筆したマイケル・クライトンからスコット・シェンシンに変更されており、クライトンは本作の執筆に関わっていない。(ただしジュラシック・パークの原作者として、名前だけは記載されている)
内容としては細かな点を除けば映画のストーリーラインに忠実で、小説限定のキャラクターや新たにお亡くなりになられるキャラクターも存在しない。 文章自体も小難しい表現や漢字は一切見られず、ラノベのような感覚でサクッと読めてしまうのも魅力である。
映画公開から20年以上経過する現在は絶版となっており、古本屋に並んでいたらラッキーと思えるくらい古代の遺物的存在になり果てている。 もしブックオフなどで発見したら、迷わず買って読んでみることを勧める。
登場人物[]
・アラン・グラント[]
本作の主人公。 やれやれ気味な性格だった映画版と比べると、感情的になるシーンが要所要所で見られる。
また本作では元カノのエリーに対して、自分の境遇を重ね合わせたり、ちょっとした未練を感じるシーンが追加されている。
・ポール・カービー[]
カービー塗装店の社長を務めている人物。 行方不明になった息子を探すべく、胡散臭い大企業の社長を名乗って、グラント博士を誘ったのは映画と同じ。 弟がいたことが判明している。
長年商売人として過ごしてきた経験から、ロジカルな思考に長けており、それを披露してグラント博士から感心されるなど、映画版より能力がブラッシュアップされた。
・アマンダ・カービー[]
ポールの妻。 子ども一直線なところは相変わらずで、子どもを救うため映画同様ワーキャー騒ぎながら島を散策する。
一方でベンに対しては、死体を見てちょっと取り乱した後、あまり悲しんでいる様子は見られなかったので、いうほど未練はないらしい。
・エリック・カービー[]
ポール、アマンダの息子。 やることなされる事は映画版と一緒で、小説版独自の描写は特に見られない。
・ビリー・ブレナン[]
グラント博士の助手を務める若者。 誰に対しても基本敬語だが、感情が昂ったときは年相応の若者っぽい口調に変わる。
アランの事は「グラント博士」と呼んでおり、映画版以上に彼のことを尊敬している描写が見られる。
・ユデスキー[]
カービーに雇われた男。 今作では救助隊のリーダーかつ傭兵だったいう設定が明かされ、本人いわく「原状回復のスペシャリスト」とのこと。
中盤、ラプトルに襲われ殺される点は同じだが、この小説では捕獲されてすぐ背中の肉を食いちぎられ絶命している。
・ナッシュ[]
カービーに雇われた男。
スピノサウルスに殺されるのは変わらないが、映画では殺害されるまで多少のラグがあったのに対し、こちらは噛みつかれた瞬間に喰い殺されるという慈悲のない最期を迎えた。
・クーパー[]
カービー夫妻に雇われた傭兵。 こちらは映画版とさほど変わらない活躍と末路を迎えた。
・エリー・デグラー[]
グラント博士の元恋人で、彼のことはアランと呼んでいる。
登場する恐竜[]
映画に登場した恐竜(もとい翼竜)は基本的に続投しているが、オミットされた種もいる。 またこの小説でのみ登場する恐竜もいくつか見られる。
- アパトサウルス
- アンキロサウルス
- カルノタウルス[1]
- コリトサウルス
- コンプソグナトゥス
- スピノサウルス
- ダトウサウルス
- トリケラトプス
- ハドロサウルス
- ヒプシロフォドン
- プテラノドン
- ブラキオサウルス
- ヴェロキラプトル
映画との相違点[]
基本、映画の流れに忠実だが、所々端折られたり変更されている部分があったりする。
- グラントが何処かの講堂でレクチャーをするシーンやクーパーがおニューの武器をぶっ放すシーンがカットされた。
- ナッシュとユデスキーの死にざまが簡素なものになった。
- 後者はその煽りを受けて、ラプトルの仕掛けたワナに騙され、アマンダさんが襲われるくだりが全カットされている。(但し後のシーンでビリーがラプトル達がワナを仕掛けたと説明したことから一応そのシーンの存在はしていたらしい)
- ティラノサウルスが食べている獲物がパラサウロロフスからダトウサウルス(小説内では「ダトサウルス」表記)に変更されている。
- ヴェロキラプトルから逃げるシーンにて、グラント博士らが突っ込んだ草食恐竜の群れがパラサウロロフス、コリトサウルスではなく、ハドロサウルスに変更された。
- 「ビリーが奪ったラプトルの卵を親が狙っている。 じゃあ持ってないとヤバいな」といった仮説のうえ、卵を保持するべきだという事をグラント博士ではなくポールが提案している。
- ビリーの盗んだ卵をグラントではなくビリー本人が白状している。
- スピノサウルスの糞の臭いを嗅ぐ恐竜が、ケラトサウルスからカルノタウルスに変更された。 (´;ω;`)
- 鳥かごから脱走したプテラノドンを軍が駆除しようとするがグラントに止められるシーンが追加された。
- 脱出したヘリの中でグラント博士とエリーが電話越しに話すシーンが追加され、それが小説の幕引きとなった。
出典[]
- ↑ 本文ではカルノタウラス表記で、英語版でも「Carnotosaurus」と誤記されている。