概要[]
ジュラシック・パーク ザ・ノベライゼーション(Jurassic Park: The Junior Novelization)は、映画「ジュラシック・パーク」を題材にしたノベライズである。
海外にて発刊されたノベライズを翻訳したもので、扶桑社より展開されていた「扶桑社ミステリー」シリーズの一環として発売された。 その名の通り、映画の内容をそのまま小説に落とし込んだ作品であるため、マイケル・クライトンが書いた本家「ジュラシック・パーク」とは内容が異なっている。
内容について[]
基本的に内容は映画の流れに忠実であり、食われる人間、生き残る人間も全て同じなうえにハモンドもクズではない。
ただし文字媒体という性質上、一部シーンが簡略化されたり、キャラクター描写に若干の変化があったり、そのキャラクターの心情が描かれているため、映画を見た後で読むと「あぁ、このシーンをこんな風に書き変えたのか」と新たなる発見で二度感動できるかもしれない。 現在はすでに絶版となっていることもあり、読みたい場合は図書館もしくは古本屋を探すしか手がない。 興味のある方は探してみるといいだろう。
登場人物[]
・アラン・グラント[]
世界的に有名な古生物学者にして主人公。 恐竜大好き、子供大嫌いな性格は映画版と全く同じ。
この小説では映画にてサラッと流されたサトラーとの関係について、そこそこ深く描写されている。
・エリー・サトラー[]
言わずと知れた剛胆ヒロイン。 活躍は映画版とほぼ同じ。
・イアン・マルコム[]
言わずと知れたヘンテコ数学者。映画版と比べるとやや感情的な人物として描かれている。
普段はトンチンカンだが、いざという時になれば自己犠牲をも厭わない勇気ある好漢として描かれていた映画とは違い、本作ではティラノサウルスと遭遇した際、グラント博士が囮を買って出ている隙をついて逃げ出そうとするなど、少々薄情な面が見られる。
・ジョン・ハモンド[]
インジェン社のCEOにして、ジュラシック・パーク生みの親。
お客さんに本物を届けたいをモットーに、夢のパークのオープンを目指す無邪気なジジイである。
・ドナルド・ジェナーロ[]
インジェン社の顧問弁護士で、お金に汚いビビり男。
映画と若干異なり、金儲けを考えてたらティラノに遭遇しビビり散らした挙句、ティラノの破壊したコンクリートの残骸に潰され死亡した。
・ロバート・マルドゥーン[]
恐竜の飼育員兼監視員。 主にラプトルの世話を担当。
活躍も末路も映画と一緒だが、本作では尺の都合か簡略化されてしまった。
こちらでは「マルドーン」と表記されている。
・デニス・ネドリー[]
パークのエンジニアで、裏切りのデブ。
胚を奪ってディロフォサウルスに食われるまでは、映画と完全に一緒である。 しかし毒を食らってから死ぬまでの描写が妙に生々しく描かれている。
・レイ・アーノルド[]
パークのエンジニア、その2。
ネドリーとは対照的に真面目一直線な男で、色々あってヤバいことになったパークの復旧に尽力する・・・ここまで書けば、後はもう分かりますよね?
・ヘンリー・ウー[]
なんとビックリ、出番を全てカットされてしまった。
・ルイス・ドジスン[]
バイオシン社の科学者。作中では「ドッジスン」と呼ばれている。
登場する恐竜[]
・ブラキオサウルス(ブロントサウルス)[]
作中ではブラシオサウルス、もしくは通称である「ブロントサウルス」の表記で登場。 さも同じ種族であるように描かれていたが、作中におけるブラキオ=ブロントの表記は誤りである。
・ヴェロキラプトル[]
作中では「ヴェロシラプトル」と表記される。 このノベライズでも非常に厄介な存在として生存者たちの前に立ちふさがる。
・ティラノサウルス[]
言わずと知れた花形恐竜。 映画と同じくジープを追いかけたり、ガリミムスを喰らったり、文字通り美味しい所を掻っ攫ったところまで映画版と完全に一緒である。
・トリケラトプス[]
毒のあるベリーを胃石とともに誤って飲み込んだ事が原因で病気になった。六週間ごとに胃石が丸く磨かれるのでその時期にベリーを飲み込んでしまうらしい。
・ガリミムス[]
映画同様、草原を走り抜ける際ティラノサウルスに奇襲をかけられ一頭が犠牲になる。
原作との相違点[]
- コスタリカの鉱山シーンが簡略化された。
- パラサウロロフスの登場が一切無かった。
- マルコムがグラント博士が囮になってる隙に逃げ出した。
- ジェナーロがティラノサウルスに捕食されず、破壊されたコンクリートに潰され圧死した。