概要[]
ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(Jurassic World Dominion: The Junior Novelization)は、同名の映画を題材にしたノベライズである。
海外で発行された子供向けノベライズを日本語訳して発売したのが当書籍で、発行を担当したのは炎の王国・サバイバルキャンプの小説も手がけた小学館である。(レーベルは小学館ジュニア文庫のみとなっている)
内容について[]
前述した通り映画版のノベライズ作品となっているため、基本的な流れは忠実である。 ただし映画の初期稿を題材としているためか、劇場公開版にはなかったシーンがいくつか描写されている。 そのため劇場公開版よりもエクステンデッド版に準拠している節があるが、その割には序盤における中生代のシーンが全てカットされているなど「別にそこは切らなくても良かったのに...」と歯痒い気持ちになる点が見受けられる。
文章自体は炎の王国、サバイバル・キャンプのノベライズ同様、小学校高学年を意識しているためか小難しさを徹底的に省いた終始分かりやすい表現がなされている。 前作にもあった恐竜が発する鳴き声や効果音などを「ガルル!」や「ドーン!」と表記するのは本作においても健在で、わざわざ太文字でちょっとフォントデザインを変えてまで表記されているなど子供の読解力、もしくは本に対する興味を何としてでも持ってもらおうと奮起する出版社の苦悩が垣間見える。ただ約200ページもある中で内容は簡素になって更に文字もやや大きい為、中学生以上の方々には少々物足りないかもしれない。
以上のように、サクッと読めて映画の内容をおさらいできるというコンセプトは健在なため、興味のある方は購入するか学校の図書室で借りて読んでみるといいだろう。
映画との相違点[]
劇場版・エクステンデッド版には見られなかった、もしくはオミットされた要素を以下に記していく。
- 中生代における恐竜の描写がカットされている。(エクステンデッド版)
- 序盤におけるゲンマのニュース映像がカットされている。(両バージョン共に)
- 農場を訪れたサトラー博士が出会った農場関係者が男性に変わっている。
- ルイス・ドジスンの名前が「ルイス・ドッジソン」となっている。
- マルタ島にて生きたエルミサウルスの存在が言及された。
- 巨大イナゴの生態として、色が変化する設定が明かされた。
- ギガノトサウルスに主人公一行が襲われた際、サトラー博士が所持していたイナゴのDNAサンプルをギガノトサウルスの口の中へ落とすシーンが追加されている。
- モササウルスの登場シーンが全カットされている。
- 物語がオーウェンとブルーがお互い会釈して去っていく場面で終了する。