馬鹿カンガルーめ、あとで轢き殺してやるからな!
~ デニス・ネドリー ~
概要[]
ディロフォサウルス(Dilophosaurus)は、ジュラシック・パークシリーズに登場する肉食恐竜である。
当シリーズにおけるディロフォサウルスは、現実世界に生きていた頃とは全く異なる姿で描かれている事で有名である。 しかしその偽りの姿が世間一般はもちろんのこと、恐竜を扱う多くのサブカルチャーにて多大なる影響を与えていることから、ヴェロキラプトルと並んで当フランチャイズの力を示す代名詞的な存在となっている。
概要[]
ジュラ紀前期の北アメリカに生息していた中型獣脚類。原始的な獣脚類にコエロフィシスに近縁。頭部には名前の由来となった一対の半月状の骨質のトサカが生えていたが、あまり丈夫な作りではなく、「ディスプレイとしての飾り」意外の役目は無かったとされる。
全長は5~7mほどで背丈は人間の大人より少し高いくらいだが、結構スリムな姿をしている。ほかの肉食恐竜と比べればあまり大きくはない印象だが、当時としては最大級の肉食恐竜であった。
顎もやや特徴的であり、歯は他の恐竜のようにギザギザがついていた(鋸歯)が、上顎の部分がフックのように曲がっており、顎も貧弱だと考えられていたことから大型の動物を狩ることはできず、「魚を食べていた」、「トカゲなどの小動物を食べていた」、「死肉を漁るスカベンジャーだった」などと様々な説が出ており、中でも「口内で「毒」を生成し、弱い顎を補っていた」という説は後に大きな影響を与えることになる。[1]
ちなみに、顎が貧弱であるとする意見は近年見直されてきており、比較的大型の動物を噛み殺すことも可能な強度であるという。
ちなみに中国でもディロフォサウルスの化石が発見されていたが、これは最近では「シノサウルス」という別属になっている。また、ディロフォサウルスらしき恐竜の座っていた後も見つかっており、その腹部の部分にはまるでブラシで擦ったあとが残っており、羽毛が生えていた可能性が指摘されている。
シリーズにおける活躍[]
シリーズ初期からデビューし、コンスタントに顔を出している常連恐竜である。 ただし意外にも映画に(生体として)出演した回数は少なかったりする。
ジュラシック・パーク[]
彼女のデビュー作にして出世作でもある作品。
当シリーズでは上記の「狩りに毒を使った」説が採用されており、口内の唾液腺から毒を分泌して吐きつけて狩りや防衛を行う独自の生態が描かれており、そこから「スピッター(毒吐き)」の異名を持つ。吐く毒は蛇毒血清で早急に処置しなければ失明の可能性がある強力なものである。さらに映画では何故かエリマキトカゲのようなエリマキまで持つようになり、体格も実物より大きく描かれているヴェロキラプトルとは真逆にかなり小さくなっているなど、創作構想が非常に多い恐竜となった。(一応ジュラシックシリーズの恐竜たちは全て「劣化した不完全な遺伝子をカエルなどの他の生物の遺伝子で補って改造した上で」再生されているが……)
イスラ・ソルナ島にて17頭のディロフォサウルスが再生され、数ヶ月飼育されるとイスラ・ヌブラル島へ運ばれた。その後、金に目がくらみ自分にぞんざいな扱いをしていたインジェン社を裏切り、パークを混乱に陥れた元凶である小悪党なデブが自分の眼鏡を落としてしまったときに現れ、エリマキを広げて彼の顔面に毒を吐きつけ、そのまま襲って殺害した。
出番こそ少なかったものの、エリマキを広げて毒を吐く姿は非常にインパクトが強く、それ以降の映画作品にはほとんど出番がないにも関わらず、以降、様々なゲーム(「A○K:○urvival ○volved」、「ゾ○ド」、「カ○キホ○ダー」シリーズ)などのサブカルチャーにおけるディロフォサウルス像に大きな影響を与え、そのイメージを定着させることになった。
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク[]
残念ながら出演は叶わなかったが、企画当初は登場させる予定があったらしく、僅かながら残されているコンセプトアート内においてその姿が確認できる。
ジュラシック・ワールド[]
イスラ・ヌブラル島で新たにオープンしたテーマパーク「ジュラシック・ワールド」で間接的に登場。
ジャイロ・スフィアの説明動画にて本種の名前と毒が出ていた(解説役の博士はその毒が本物と気づいた直後にぶっ倒れた)ほか、終盤でグレイが作動させた立体映像(ホログラム)が登場しデルタを一時的に足止めした。
あの「シャー!」という鳴き声と共に登場 |
フィクション要素が非常に強く、恐竜研究の進んだ現在では二度と登場しないと思われていたなか、まさかの再登場に驚いた人も多いだろう。
ジュラシック・ワールド/炎の王国[]
パーク崩壊後のイスラ・ヌブラル島にてインドミナス・レックスの骨を採取するため島を訪れた傭兵軍団のシーンにてほんの少しだけ生体が再登場。付近のジャングルに潜んでいたが、レクシィが現れたため鳴き声をあげて逃げ出した。
その後姿を現すことはなかったが、無事捕獲されたのか恐竜オークションのリストや終盤の胚保存ケースにて名前が載ってたり、ロックウッド・エステートにて本種のオブジェが出ていたりと間接的ながら結構登場している。
ロックウッド邸のすがた |
ジュラシック・ワールド/サバイバル・キャンプ[]
シーズン4より登場。
パークから数えて実に約20年ぶりに生きている個体が映像作品にて現れた。
ジュラシック・ワールド/新たなる支配者[]
予告編にて姿が確認できる。 アニメに次いで久々の実写登板と相なった。
どのような活躍をするのかは現時点では不明なため、今後の動向に期待しよう。
以下、「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」のネタバレ注意! |
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作中ではバイオシン社のサンクチュアリに生息する個体群が登場。果たしてこれらの個体が1993年に我々の前に姿を現した彼女たちの子孫なのか、バイオシンが作ったのかは不明だが、外見は29年前のそれとやや変わっており、エリマキの模様が若干薄く、体はグレーで模様は大きく異なるものとなっている。
小型とはいえ人間からすれば十分大きいはずのこの恐竜が首を絞められたときに顎が抑えつけられているところをみると、本シリーズのディロフォサウルスは毒液の設定の大本となる顎が弱いという設定を受け継いでいるのかもしれない。 その後は三頭がハイパーループという地下輸送システムに侵入。全ての計画がおじゃんとなり再び雌伏しようとしていたルイス・ドジスンを襲撃。彼の命乞いを聞き届ける...というかその意味を理解するわけもなく、かつて彼がスパイとして利用した男のように毒液で目潰ししたのちに、三頭がかりで八つ裂きにしてしまった。ざまぁ |
ジュラシック・パーク(小説)[]
パーク内で飼育されている恐竜の1頭として登場。 リバー・アドベンチャーなるアトラクション内で生活している。
特徴や活躍については予々上記に書かれたものと同じであり、毒吐き設定もネドリーが惨たらしく食い殺されるのもこの小説が初出である。
ちなみにパーク内にいた個体の何頭かは性転換していたことが示唆されており、グラント博士らが川辺でつがいがキャッキャウフフしているシーンが描写されている。 しかし性転換に必要とされているカエルのDNAがディロフォサウルスには適用されていないと明言されており、一体どの遺伝子が彼女らを男に変えてしまったのかについての謎は一切不明となっている。
Jurassic World Dinosaur Field Guide[]
書籍内にコラムが掲載されている。 Dinosaur Field Guideにも同様の内容のコラムが存在する。
Jurassic Park Official Souvenir Magazine[]
書籍内にコラムが存在する。
ジュラシック・パーク(ファミコン)[]
敵キャラとして登場。
木の陰から急に飛び出し毒を吐いて攻撃してくるため、銃弾を食らわすか早急にその場を立ち去った方がいいだろう。
ジュラシック・パーク(スーパーファミコン)[]
敵キャラクターとして登場。
ジュラシック・パーク(メガドライブ)[]
敵キャラクターとして登場。
Jurassic Park Interactive[]
敵キャラとして登場。
ジュラシック・パーク(AC)[]
敵キャラクターとして、ステージ1と4に出現。
毒液を吐いてくる個体と引っかき攻撃をする個体の2種類が襲いかかってくる。
Chaos Island: The Lost World[]
敵キャラクターとして登場。
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(AC)[]
敵キャラクターとしてステージ1にのみ登場。
初手一発目から毒液を吐いて攻撃してくるが、4匹ほどの群れが一気に仕掛けてくるため、これを躱すのは非常に困難である。
ただし大きな音が鳴ると無意識にそちらを向いてしまう習性があるため、ドラム缶の爆発などで気を散らした隙にバカスカ撃ちまくると割とあっさりやられてくれる。
Jurassic Park: Dinosaur Battles[]
敵キャラクターとして登場。
ジュラシックパークIII・アドバンスドアクション[]
敵キャラクターとして登場。
研究所のステージにおいては群れをボスとしてプレイヤーの前に群れをなして立ちふさがる。
ジュラシックパークIII・恐竜にあいにいこう[]
飼育可能な恐竜の一種として登場。
Jurassic Park III: The DNA Factor[]
映画には出演しなかったが、ソルナ島に生息する恐竜として登場した。
ジュラシック・パークⅢ(AC)[]
ザコ敵の一種として登場。
今までのアーケードゲームとは違い、こちらのディロフォサウルスは固いため、一発当てたからといって油断しないようにしよう。
Jurassic Park: Explorer[]
ゲーム内のミニゲームをクリアすることでCGアートとためになる情報が閲覧できるようになる。
Jurassic Park: The Game[]
映画で登場したディロフォサウルスは若年の個体であることが今作で初めて判明した。(ただし成体は登場していない)
ゲームでは群れを作って獲物を襲うシーンが描かれており、毒液だけでも脅威だったディロフォサウルスの新たなる恐怖の一面を垣間見ることとなった。
経営シミュレーション・ジュラシックパーク[]
飼育可能な恐竜の一種として登場。
モリソン累層Aを調査することで化石が入手でき、ファイルによっては初期状態でアンロックされている場所でもあるので人によってはお世話になった恐竜かも知れない。
ジュラシックパーク・ビルダー[]
飼育可能な恐竜の一種として登場。
LEGO Jurassic World[]
ジュラシック・パークステージに登場する敵恐竜として出現。後々プレイアブルキャラとしても使用することができ、数いる恐竜の中で一番早くアンロックされる。
映画と同様毒を吐き、ややスリムになったネドリーを襲うなど映画のテンプレをこなしていくが、レゴ特有の優しい世界のおかげか毒は粘着性のあるガムのようなものに変更され、ネドリーもそれを食らわずに済んだ上に死ぬこともなかった。
Jurassic World™: ザ·ゲーム[]
レアリティ「レア」の肉食恐竜としてゲームに参戦。バトルステージ15をクリアすることでお店でのカード購入が可能となる。
CGモデルや動きは小型肉食恐竜のそれだが、フルパワーで殴る時だけ彼女はエリマキを広げて攻撃するなど特別仕様の扱いを受けている。 その代わりステータスは平均並みである。
2020年12月10日には、アライブから逆輸入された新種こと「第2世代」がトーナメント限定の恐竜として実装。 ドミネーターランクでシーズンを終えた者にのみ彼女の所有権が与えられた。
ジュラシックパーク・アーケード[]
敵キャラクターとして登場。
Jurassic World アライブ![]
お出かけすると出会える恐竜として登場。 第一世代と第二世代の2種類がおり、どちらも攻撃とクリティカルデバフに長けた技構成となっている。
ジュラシックワールド・エボリューション[]
飼育可能な恐竜として登場。 イスラ・ムエルタ島到来までキャンペーンモードを進めると解禁される。
小さいながらも非常にパワフルで、気に入らないことがあるとフェンスを破壊して脱走してしまう。 生息環境の整備と嵐の襲来には十分気をつけよう。
ジュラシックワールド・エボリューション2[]
飼育可能な恐竜として再び続投。
ゲームに実装されている全3モードに皆勤している数少ない恐竜であり、飼育条件もそれなりに緩めである。 ただし仲間を3頭必要とする点と、生き餌フィーダー(もしくは草食恐竜)が設置されていないとストレスを溜め、脱走を企てるので注意しよう。
Jurassic World: Primal Ops[]
レアリティ「レジェンド」の恐竜として登場。 宣伝動画ではあたかもゲームを進めれば仲間になるような紹介がされていたが、実際はイベントか恒常ガチャを引かなければ入手できない恐竜だった。 (尤も、サ終が発表されてから公式が彼女のDNAを一式プレゼントしてくれたため、宣伝動画よりもラクに入手できるようになったのは皮肉としか言いようがないだろう)
そんな彼女の技は、相手に毒液を吐き散らす技で初弾のヒットダメージ+毒効果によって、じわじわと相手の体力を削る効果がある。 ただし彼女に限らずディロフォ系はみな、9発放って1発当たれば御の字と言えるくらいエイムがヘタクソなため、過信しすぎると密猟者たちにボコられてしまう。
Jurassic Park Series 1[]
3種類の玩具が発売されており、うち1つはネドリーとの抱き合わせである。
Die-Cast: Jurassic Park[]
ステゴサウルスとセットで発売されていた。
Jurassic Park Series 2[]
単品で玩具が発売。 誰かと抱き合わせでなくても売れると判断された瞬間であろう。
The Lost World Series 1[]
水色の個体が登場。
Jurassic Park: Chaos Effect[]
ディロフォサウルス本人はラインナップされていないが、彼女とスピノサウルスを混ぜて作られた「ディロフォスピナス」というハイブリッドが発売される予定だった。(結局諸事情あって没となってしまったが...)
Chaos Effect Night Hunter[]
最終的に取りやめとなってしまったがラインナップはされていたようで、ロスト・ワールドに出ていたカーターとセットで発売される予定だったらしい。
ジュラシック・パークⅢ(ハズブロ)[]
Ⅲ公開当時に発売されていた玩具で、日本でもリリースされていた。
このディロフォサウルスは横腹の露出した骨と、尻尾上部にある出っ張りを引いてやることで鳴き声を発する仕組みとなっていた。
Jurassic Park Junior[]
アンキロサウルスとセットで発売されていた。
CamoXtreme[]
Ⅲ由来の玩具シリーズで深紅のディロフォが発売されていた。 こちらは恐らく日本での発売実績はない。
Jurassic Park 2011 toys[]
ステゴサウルスと共にラインナップされていたものの、当該玩具が発売中止となってしまったため、世に出ることはなかった。
LEGO Jurassic World[]
ワールドから炎の王国に至るまで、わんさか発売されている。
ジュラシック・ワールド[]
登場していないのに玩具だけは発売されている。 出せば売れると分かっているからだろうか。ジュラシック・ワールド/炎の王国[]
登場していないのに(ry)
ジュラシックパーク・ザ・ライド[]
アトラクションの終盤、破壊された研究施設にて登場。 親の顔より見た襟巻きをヒラヒラさせて、ゲストに水をかけてくる。
Jurassic World: The Ride[]
多くの恐竜たちがリストラされた中で数少ない続投組として登場。 リニューアル前と同様、水をかけてゲストらをキャーキャー言わせる。トリビア[]
- ディロフォサウルスの鳴き声は白鳥、威嚇時はガラガラヘビとタカとホエザルを混ぜ合わせたものが使われているという。
ギャラリー[]
・ジュラシックパーク・ビルダー[]
脚注[]
- ↑ しかし近年の研究結果によると、アゴは今まで想像していた以上に頑丈であり、魚や小動物はおろか当時の竜脚形類でも難なく狩れるジュラ紀前期の頂点捕食者だったことが判明した。
関連項目[]