概要[]
デイノニクス(Deinonychus)は、ジュラシックパークシリーズに登場する恐竜の一種である。
恐竜データ[]
白亜紀前期の北アメリカに生息していた小型の肉食恐竜。 ただし小さいといっても体長3メートルもあったので、仮に目の前に現れたとしても「キャー、カワイイ~!」とは絶対ならない。
最大の特徴は足に生えていた鋭利なツメで、およそ15センチほどの長さがあった。 これは狩りをする時に使われていたとされており、鋭い爪を相手の喉笛めがけてスラッシュし、悲鳴をあげることも許さぬまま黄泉送りにしたとされている。 変わりどころでは木登りのために使っていたという説も存在する。
エサと思しき草食恐竜の周りに数匹のデイノニクスの骨が見つかる事から、常に群れで行動し自身より巨大な獲物を狩っていたという説が長年にわたって支持されていた。
ところが発見された化石をよく観察してみると、闘争によって負ったであろう傷跡がいくつも発見されたり、マジュンガサウルスのように共喰いした形跡のある骨が見つかったことから、現在では統制された群れは作っておらず単独行動を好む性格だったとされている。
実は昨今における小型恐竜のトレンドでお馴染みの羽毛が体中に生やしてた説を最初に唱えるきっかけを作ったのは、何を隠そうこのデイノニクスである。
今でこそ鳥の祖先として有名な恐竜だが、つい最近までトカゲと同じ変温動物だと思われていた時期が存在していた。 それが学会の常識となっていた1960年代ごろ、ジョン・オストロムという学者さんが「恐竜のような大型の生物が気温の上下に左右される変温動物であるとは考えにくい、むしろ気温に関係無く活発に活動できる恒温動物であったのではないか。」という内容の「恐竜恒温説」というものを唱えた。
要約すれば「日光浴しただけで車が動くかい!」というこの説は、話題性こそあったものの最初は言うほど支持されなかった。 だがそれから30年くらい経って発見されたのがシノサウロプテリクスなどの羽毛を持った恐竜の化石であり、この世紀の発見よって一気に「恐竜恒温説」は支持を集め、現在の羽毛恐竜ルネッサンスが出来上がった。
当然、この説の原点にもなったデイノニクスにも立派な羽毛が生えていたとされているが、残念なことにそれを直接証明する証拠は未だ見つかっていない。
シリーズにおける活躍[]
とある小型恐竜がシリーズを代表する人気スターなってしまったため、著名な恐竜ながら出番は少ない。
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(テレビゲーム)[]
敵キャラとして登場。 人間はもちろんのこと自分のドッペルゲンガーことラプトルにも襲いかかってくる。
何故かこちらのデイノニクスはオリジナルのものより体が縮んでいる。
ジュラシックパークIII・恐竜にあいにいこう[]
飼育可能な恐竜の一種として登場。
経営シミュレーション・ジュラシックパーク[]
企画段階においては登場する予定だったそうだが、結局没となってしまった。
現在では、有志の解析したソースコードからその名前が確認できる。
Jurassic World アライブ![]
今まで素早さにおいては誰にも負けないが信条だったヴェロキラプトルとまさかの同速という驚異のスペックを引っさげ、お出かけアクションゲームへ堂々の参戦。 2020年7月21日のアプデよりあなたのご近所を練り歩くようになる。(最新作に登場したピロラプトルに酷似していると思うのは気のせいだろうか…)
性能は防御特化型のラプトルと言った感じで、回避で相手の技を受けつつ「高度飛びかかり」で相手の息の根を止めるのが主な戦法である。 徹底的に居座って相手の喉笛を裂いて裂いて裂きまくろう! (本当に生き残れるのかは知らないが)
ジュラシックワールド・エボリューション[]
飼育可能な恐竜の一種として登場。 ストーリーモードにおける第3ステージ「イスラ・タカニョ島」から解禁される。
デフォルトで収録されている小型肉食恐竜の中では最も人気が高く、嵐への耐性がちょこっとだけあるなど、雨風にあたっただけでブチギレるヴェロキラプトルと比べればはるかに飼育しやすい。
有料DLCにおいて彼女の上位互換であるヘレラサウルスが実装されるなど、やや追い風は受けているものの、デフォルトで入っている恐竜では未だ優秀なステータスである事は変わらないため、攻略のお供とする価値は充分にあるだろう。(コンプリートエディションなんてもんは知らん)
Jurassic World™: ザ·ゲーム[]
2021年5月14日のアップデートにて、アライブデザインのデイノニクスが参戦。
ジュラシックワールド・エボリューション2[]
飼育可能な恐竜として本作でも続投。
キャンペーンとチャレンジモードに登場し、どちらにおいても攻略面で役立つ場面が多い。
Jurassic World: Primal Ops[]
実装される予定でCGアートも作成されていたが、ゲームがサ終したことで未実装のまま終わった。 唯一その姿を確認できたのは、課金アイテムにおける宣伝写真であり、デザインはエボリューションシリーズのものを流用していた。
Jurassic World Dinosaur Field Guide[]
書籍内にコラムが存在する。
前作にあたる「Dinosaur Field Guide」にも同様のコラムがしっかりと収録されている。ヴェロキラプトル=デイノニクス[]
シリーズの顔として敵になったり味方になったり、ネット上で萌えキャラされたりするヴェロキラプトルだが、実は彼女の正体は元々デイノニクスだったということをご存知だろうか。
ジュラシック・パークの原作小説が発売された当時、世間が思い描く小型恐竜といえば満場一致でデイノニクスであり、ヴェロキラプトルはほぼ無名の存在であった。 実はこの頃の古生物学会においてデイノニクスとヴェロキラプトルとは、住んでる国こそ違えどほぼ同種のような関係だったという今では信じられない認識が蔓延していた。
映画製作時のコンセプトアート |
それから時が流れて映画が作られることになったある日、この頃になると流石にヴェロキラプトル=デイノニクスという図式はなくなっていたので「これヴェロキラプトルって呼ばれてましたけど、実際はデイノニクスらしいですから改名しちゃいましょうかね」という話が持ち上がっていた。 ところがスピルバーグは「ヴェロキラプトルの方がカッコいいし、そのまま改名なしで行っちゃおう!」とまさかの決断を下す。
この決定が功を奏しヴェロキラプトルの知名度と人気はうなぎ上りとなり、今日においてその名を知らぬ者はいないまでの地位を獲得するに至った。
だがその一方で元ネタであるデイノニクスは、体を貸したスター恐竜が現役バリバリで頑張っている影響もあって、なかなかシリーズへの出演を許してもらえないという状況が今現在になってもなお続いている。
今現在ヴェロキラプトルが輝かしきスポットライトを浴びられているのは、秘密裏に体を提供しそのことに対して全く愚痴を言わない1匹の小型肉食恐竜の存在があることを忘れてはならないだろう。