概要[]
トロオドン(Troodon)は、ジュラシックパークシリーズに登場する恐竜の一種である。
恐竜データ[]
白亜紀後期の北アメリカに生息していた小型肉食恐竜。
非常に聡明な恐竜として知られており、もしトロオドンが人間に成長したらどうなるかを想像した「ダウノサウロイド」なるものが作られたりするなど、学者先生はもちろんのこと、世間一般からの人気と知名度が高いスター恐竜の一種である。
ただし、その知名度の割に発見されている化石の数が異様に少なく、初めて発見された1855年から現在に至るまで発掘された化石は歯の化石1本のみである。
厳密にいえば他の部位の化石もあったのだが、それらは現在別の恐竜のものと認定されている。 それだけならば当業界ではよくある話で終わるのだが、まさかこの事実が古生物界におけるトロオドンの地位を大きく揺るがす要因となってしまうとは、恐らく誰も思ってもみなかったことだろう。
トロオドンが発掘されて1世紀経った1932年、同じ場所で小型肉食恐竜が発見され、すぐさまトロオドンのシノニム(彼と同一人物だということ)に認定された。 後に「ステノニコサウルス」と呼ばれるその恐竜は、巨大な脳ミソを頭蓋骨に収めることができ、これがトロオドン賢いかも説の根拠となっていた。
尤も当時はその頭蓋骨こそトロオドンという認識となっていたので問題なかったのだが、転機が訪れたのは2017年、1969年に発見されステノニコサウルス共々トロオドンの骨だと認識されていた「ラテニヴェナトリクス」という恐竜が実はトロオドンとは全く関係のない新種だということが調査の末に判明し、再び独自性のある主として古生物界にカムバックを果たした。
それと同時期にステノニコサウルスも、いくつかの標本が発見され研究が進んだ結果、こちらも独自の種を名乗ってもいいと認められ、トロオドンのシノニムから卒業することに成功した。
一方でトロオドンは、2世紀経った今日に至っても一本の歯しか見つかっておらず、1800年代当時からチラホラ指摘されていた「こんな標本の少ない奴を新種として認めてええんか?」という意見がここに来てついに爆発。 「トロオドンなんて最初からいなかったんや!」と結論づけられ、ついに彼は地球上に存在しない恐竜という負の烙印を押されてしまったのだ。
つまり、いま現在においてトロオドンを名乗ってメディアに登場している恐竜は、実はトロオドンではなく「ステノニコサウルス」か「ラテニヴェナトリクス」のいずれかということになる。 尤もそれを知ってか知らずか、当コンテンツはトロオドンの名前を捨てていないそうだが・・・。
シリーズにおける活躍[]
残念ながら存在しない可能性が濃厚となってしまった恐竜だが、あまりにも世間一般に浸透しすぎてしまったせいかただ単純にステノニコサウルスの名前がダサいと判断されたのか、疑問名になって3年が経とうとする今日においても、旧名で登場する機会が多い。
Jurassic Park: The Game[]
出演作の1つにして最大の出世作。 この作品に出演したトロオドンが、後々ジュラシックパークコンテンツに登場するトロオドン達のイメージを完全に定着させた。
元々はパークに展示する目的でソーン博士が作り上げた恐竜だったが、あまりにも危険すぎるとハモンドに判断され安楽死させるよう指示、映画が始まった時には全てが天国へと召されていたはずだった・・・そう、はずだったのだ。
ところが生みの親であるソーン博士は、ハモンドの命令を無視してトロオドンを秘密裏に生かしており、研究を続けていた。 そんな中パークで起こった不慮の事故の最中、彼女らは檻からの脱出に成功。 デブが落としたシェービングクリームを回収しにきたエージェント達の前に姿を現すこととなる。
狡猾で凶暴なヴェロキラプトルですら恐れなかったハモンドが、何故トロオドンだけには異常なまでの拒否感を示したのか。 それはひとえに彼女のスペックが原因となっていた。
トロオドンは総勢10頭ほど作られていたのだが、それらは全て群れで活動しており、ラプトルに負けずとも劣らない統制力を見せていた。 ただし獲物に襲いかかる時は単騎で赴くことが多く、他の群れはその間 高みの見物を決め込んでいた。 せっかくグループで活動しているのに一斉に襲いかからないのは、小柄なトロオドンとしては非常に分が悪く、これだけ読んでいるとどこぞのデイノニクスのように、あまり仲がよろしくないと思われるかもしれないが、実はこれ合理的に練られた彼女らの狩猟プランの一部に過ぎないのである。(詳しくは後述)
基本的には夜行性らしく、夜の暗闇に紛れて人を襲う描写が描かれている。 これも獲物が夜間は不活発になることを見越しての行動だと思われる。
そして、当ゲームのトロオドンを語る上で絶対に外せない要素こそが、毒を使って攻撃するという点である。
彼女らは獲物に食らいついた瞬間、キバから神経を犯す毒を流すことができ、一旦甘噛みして相手が振りほどくことを敢えて見逃す。 獲物は逃げれば逃げるほど毒が回って幻覚症状を引き起こし、やがて動けなくなってしまう。 それを彼女らはじっと待ち続けて倒れ込んだ相手の喉笛を食らうという世にも恐ろしい方法で狩りを行う。
前述の単騎で襲いかかる理由も、毒を流し込むのに集団で襲いかかる必要がなく、仮にしくじったとしても最悪手数が1つなくなるくらいで済むため結果的には効率が良い。 そこまで考え抜いて相手を襲う事実を知ったからこそハモンドは殺処分を命じていたとこういうわけである。
ゲームでは上記の能力をフルに使って主人公たちを執拗に追跡、ラプトル以上の脅威として要所要所で襲いかかってくる。
The Lost World: Jurassic Park (SEGA Genesis)[]
敵キャラクターとしてゲームに登場。 これがトロオドンのシリーズデビュー作である。
ジュラシックパークIII・恐竜にあいにいこう[]
飼育可能な恐竜の一種として登場。
Jurassic Park: Survival[]
敵キャラクターとして登場予定だったが、出演は取りやめとなった。
というよりゲームそのものの開発が中止となったため、出られるはずがないというのが正しいのだが。
ジュラシックパーク・ビルダー[]
飼育可能な恐竜の1頭として登場。
LEGO Jurassic World[]
まさかのプレイアブルキャラとしての参戦を果たす。
Jurassic Park: The Gameからのゲストキャラクターで、何故か映画で一秒たりとも現れなかったのにジュラシック・パークⅢシナリオにて敵モブとして登場する。とある条件を満たすことで使用可能となる。
他者の能力をカスタマイズして使うことが出来るが、残念なことに毒攻撃はナーフされてしまった。
Jurassic World™: ザ·ゲーム[]
2016年1月4日付より、パークで飼育することが可能となった。 当ゲーム最強格の1頭「ユドン」の素材にもなる。
レアリティは「レジェンド」で、時たま開催される「トロオドントーナメント」で優勝すると入手出来る。 (それと同時にお店での取り扱いも解禁される)
現状出現方法は強くなってナンバーワンになるくらいしかないが、稀にプライズドロップの景品として出品されることもあるため、腕に自信がない方はこちらを活用しよう。
ジュラシックワールド・エボリューション[]
有料DLC「ウー博士の秘密」に収録されている恐竜。
今作では久々に毒攻撃が復活し、石頭竜以外の草食恐竜が彼女に噛まれると体内には毒が回ってしまい、時間経過で体力が減って最終的には死んでしまう。 (しかもこの毒は、治癒する術が存在しない)
非常に狡猾で恐ろしい戦術を現世に蘇らせたトロオドンだが、代わりに実装されている小型恐竜の中では最も攻撃力が低く、ケンカをすると大概負けてしまう。(ただしちょっかいをかけた相手は、遅かれ早かれ後を追う羽目になるのだが)
ちなみに鳴き声のほとんどはコンプソグナトゥスからの流用らしい。 (後に鳴き声の持ち主も参戦したけど)
Jurassic World アライブ![]
アップデート2.2より追加された。
性能はエコーがエピックになったらこんな感じというもので、「狡猾打撃」に加えラプトル一族の専用ワザ「高度飛びかかり」、そしてもう1つ切り札として「凶暴化」を習得している。
強力な手数が1つ追加されたことによって、高度飛びかかりを耐えてホッと胸をなでおろしている相手に同威力の凶暴化をブチ込むことができる。 やられた際の精神的ダメージは相当なものである。(1敗)
ただし防御がペラッペラなことと、攻撃・素早さを下げられるとめっぽう弱くなるという一族共通の弱点は克服できていないため、過信は禁物である。
Jurassic World: Live Tour[]
ケイト・ウォーカーなる人物が、自身の研究のために作った恐竜として登場。 「ジニー(Jeanie)」という名前が付いていた。
彼女は恐竜の感情をコントロール出来るシステム「Dino-Decoder」なるものを秘密裏に研究しており、ジニーはそれを完成させるためのキーマンの役割を担っていた。
ジュラシック・ワールド/炎の王国[]
2021年に、トロオドンの玩具が発売されることが発表された。 彼女が当コンテンツの恐竜として玩具化されるのは史上初の出来事である。[1]
発売元はアニアで、アタックパックという名のレーベルのラインナップとして取り扱われるとのこと。
余談[]
- 毒を持つと明言された恐竜はトロオドンが3頭目である。(残り2頭はディロフォサウルスとプロコンプソグナトゥスである)
- Jurassic Park:The Gameに登場したトロオドンの鳴き声は、イルカのクリック音、様々な小鳥の鳴き声、雄牛が交尾する際に発する嬌声を混ぜ合わせて作成された。唸り声や咆哮は、ヒョウやクーガー・クロコダイル鳴き声を組み合わせて表現している。
- 上記ゲームの初期トレーラーでは、トロオドンの目が黄色く光っているように見えるのだが、完成品では白くなっている。
ギャラリー[]