"野生動物、戦争、なんでもやる。ニュース番組を担当したときはボスニアを回った。"
概要[]
ニック・ヴァン・オーウェン(Nick Van Owen)は、ロスト・ワールド/ジュラシック・パークに登場する主要人物の一人である。
映画版にのみ存在するキャラクターで、小説版には登場しない。
人物像[]
カメラマンを生業としている若者で、得意なジャンルはドキュメンタリー。 年齢は不明だが20~30代前半くらいだと思われる。タバコを吸っているそうで、ステゴサウルスの難を逃れた後にはタバコを吸おうとしている所をサラに「煙のせいで記録に影響が出る」と止められる描写もあった。
一言でいえば理想に燃えるエネルギッシュな若者で、フレッシュかつさっぱりとした性根が気持ちいい好青年という印象を受ける。とはいえ、可愛い子を見かければ有無も言わさずアタックをかける若さゆえの軟派さが垣間見える点もあり、一時期グリーンピースという自然保護を目的とした国際NGOに所属していた過去があったのだが、その入団目的が構成員に女の子が多いから、ハーレム状態になれるかもという頭真っピンクな思いを抱いたゆえらしく、母なる星の未来について思慮を巡らすなどという高尚な気持ちとは程遠かったようだ。
そんな写真を撮りつつ女の尻を追いかけていたある日のこと、ジョン・ハモンドなる大富豪から「恐竜の調査をしてほしい」という依頼を受け、極上のスリルとワクワクを求めて快くそれを引き受ける。
同じくハモンドに雇われたエディ・カーと共に恐竜が蔓延る島イスラ・ソルナ島へと赴くこととなるのだが、そんな彼には他の誰にも知られていない裏の顔が存在していた・・・。
映画における活躍[]
・ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク[]
前述の通り、マルコム率いる恐竜調査隊の一員として登場。
ハモンドからは恐竜の記録撮影を行ってほしいと頼まれていたようで「古代の生物&女漁りをするためにここに来たんだ!(要約)」などとアホ丸出しなことを言って、マルコムを呆れさせていた。 本当にそうならどれだけよかったことか・・・
島に来て早々出くわした最初の恐竜ステゴサウルスが現れた時はカメラを回しその姿をカメラに収めたり獣道を駆け抜ける恐竜達を崖の上から映したりと業務自体は真っ当にこなしていた。
そんなこんなで当初はスリルと冒険が大好きなただの物好きカメラマンだと思われていたが、後々その正体が「アースファースト」(日本語吹き替えでは「地球救済会」)という名の自然保護団体のメンバーであることが判明。 ローランドさん曰く「色々よからぬことをやっている」らしく、過激な組織の一員であることが露呈した。
その後ワーカー・ビレッジに一人駆けつけなんとか無線を繋いでは助けを求めるのに成功。島からの脱出を果たした後はひっそりとフェードアウトした。因みにこれが彼の最初で最後の活躍である。その後のストーリーには一切関わらなかったため、ローランドさん共々消息不明となってしまった。 (実際は死ぬ予定だったらしいがそれについては余談の項を参照)
その他媒体における活躍[]
・LEGO Jurassic World[]
プレイアブルキャラクターとして登場。 若者だった映画版とは異なり、こちらのニックは無精髭を生やしたおっさんのような面持ちに変化している。
ある特定のオブジェクトを破壊して、進路を開くことができる。
・玩具シリーズ[]
ロスト・ワールドの玩具シリーズにラインナップされている。
権利の都合か製造会社の技術力によるものかは不明だが、映画のニックには似ても似つかない顔立ちとなっている。
シリーズイチのヤベェ奴[]
このキャラクターは、サラ・ハーディングに次いでファンからの評判が良くないキャラクターとして悪名高く、歴代シリーズの登場人物の中で最もヤバいキャラクターの1人として知られている。
何をやったのかというと、まず恐竜ハンターが捕獲した恐竜を逃がした結果、彼らが所持していた備品の大部分を破壊し後の悲劇につながるきっかけを作ったことである。 ハンターの自業自得な面もあるものの、この行為によって彼らの大部分が殺される事態に陥ってしまうため、正直あまり褒められたことではない。
さらには子どものティラノサウルスを連れ帰って親御さんを怒らせ、トレーラーとおっさんを同時に失ったりするなど、敵味方問わず多大な被害を及ぼすきっかけを与えてしまった。
とはいえエディを死なせたきっかけではあるが上記にもあるよう彼はジュニアの骨折を治すために連れ込んだ為、一概にその行い全てが悪いとは言えない。しかし彼はサラ以上にヤバい事をやらかしてしまっている。
件のシーンはティラノサウルスが恐竜ハンターらを襲った映画の後半部分。 この時ローランドさんはティラノの脳天めがけ、ライフル銃をお見舞いしようとしたのだが、引き金を引いてビックリ仰天。 込めたはずの弾が入っていなかったのだ。 これにはベテランのローランドさんも映画を見ていた視聴者もギョッとし、なんだなんだと思って見続けたソルナ島脱出のシーン。 ヘリコプターに揺られて「あぁ助かった...」と安堵のため息をこぼすマルコムたちの目の前で、突如オーウェンが「あぁ、そういえばこれローランドから引き抜いてきたんだよね」と真顔で言い放ってポロポロっと手のひらからこぼれ落ちたのは、なんとライフルの銃弾だった。
つまり彼は、明確な殺意を持ってローランドさんの銃の弾を抜いたということになり、もっと恐ろしいのはその事実を回想してる際、後悔や悲しみの念を一切抱いておらず、まるで「あっ、シャンプー切れてたから買っといたよ」ぐらいのテンションで前述のセリフを言い放ったという点である。
当シリーズにおいて間接的な要因で人を殺めたキャラは数多くいるものの、明確な殺意を持ってして人を殺めたキャラクターは、この作品から21年後に公開された炎の王国に登場するイーライ・ミルズが現れるまで登場しておらず、悪役として描かれていたミルズとは違い、彼は最初から最後まで善人サイドとされていたことにニック・ヴァン・オーウェンというキャラの歪さが垣間見える。
このようなサイコパスっぷりを目の当たりにした視聴者はドン引きし、劇中のマルコム達ですら若干引いていたほど彼のやらかしたことは恐ろしく、それが今現在におけるニックの低い評価へと繋がっているとされている。
とはいえ仮にも善人サイドに所属しているため、マルコム含めた調査団メンバーに対しては優しく、ティラノサウルスから逃げる際も子どもであるケリーを終始気遣ったり、脱出用のヘリを手配するべくラプトルの蔓延る施設へと単身で潜入し、見事助けを呼ぶなど勇気ある行動もいくつかしており、ミルズのような完全なる畜生というわけではない。(しかしベースキャンプに火が燃えていた際エディを押し退けて慌てて向かうシーンがある)
根っこの部分は悪人からほど遠い清らかさであるものの、茎を伸ばす過程でどこかが異常にねじ曲がり、最終的にいびつな花を咲かせてしまったのがニック・ヴァン・オーウェンというキャラクターなのかもしれない。
余談[]
- 元々彼はソルナ島にて、プテラノドンの大群に襲われ死ぬ予定だった。 本来はそれで禊となるはずだったのだが、撮影時に脚本が変わってしまった結果プテラノドンのシーンはオミットされ、本編のようなスッキリしない結末になってしまったという裏話がある。