概要[]
パラサウロロフス(Parasaurolophus)は、ジュラシック・パークシリーズに登場する恐竜の一種である。
映画第1作目から出演している最古参の恐竜でありながら、「パラサウロロフス? あぁそんなのいたよね」程度の認識しかなく、その言葉通り大した活躍もしていないことから、非常に影が薄い恐竜である。
しかし彼女はジュラシック・パークシリーズの映画全5作品とOVA「Battle at Big Rock」、絶賛配信中のアニメ「ジュラシック・ワールド/サバイバル・キャンプ」に加え、シリーズ最新作「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」出演している唯一の恐竜であり、ティラノサウルスやヴェロキラプトルでも成し遂げられなかった映像作品皆勤賞を成し遂げている。[1]
本項目では、そんな唯一無二の魅力を持ち合わせた恐竜、パラサウロロフスについて余すことなく記述していこうと思う。
恐竜データ[]
白亜紀後期の北アメリカに生息していた恐竜の一種で、恐らく世界で最も有名な鳥脚類だと思われる。
トップスターの座についているということは、そうとうカッコイイ体躯をしていたんだろうと思われがちだが、体つき自体は当時の北アメリカにわんさかいたハドロサウルス科と何ら変わらない様相を呈しており、正直面白みのある姿とは言い難かった。
しかし彼は、他の誰にも負けないあるひとつのアイデンティティーを武器にして古生物界のスターダムへとのし上がることに成功した。その最たるものこそが頭に備え付けられたパイプ状の細長い管である。
長さ1.8メートルほどのバナナ型のトサカ、人によってはプレスリーみたいなやつと形容されるそれは数ある鳥脚類のトサカの中でも特に異彩を放っており、一目見たら一生忘れない強烈なビジュアル、「こんなもの何に使っていたんだ?」と思わせる神秘性を併せ持っており、初めてパラサウロロフスが世に送り出されてから現在に至るまで人々を魅了する唯一無二のツールとなっている (と思われていたが、最近中国地方で似たような恐竜が見つかったので、残念ながら唯一無二ではなくなってしまった)
このトサカが何に使われていたのかは諸説あるものの、中身が空洞かつ非常に精密な構造となっていたことから、ここに自身の鳴き声を吹き込んで非常に大きな音を出していた。 または遠くにある馨しい花の香りや、自身を喰らおうと迫る肉食獣のニオイを嗅ぎ分けるための嗅覚拡張装置だった説が今のところ有力である。 またトサカの形は個体や雌雄によって差異があったので、交尾の際に使用していた可能性も存在する。
かつてはここに空気を溜め込んでシュノーケルにしていた説も存在していたが、現在では否定されている。(後述するシリーズの活躍において、妙に水に縁があるのはこれが原因)
非常にユニークなトサカだけでスターダムの頂点へと上り詰めたパラサウロロフスは、1920年にカナダで発見されたのを皮切りにアメリカ本土の様々な場所で見つかっているのだが、実は現在に至るまでに発掘されている化石の量は非常に少なく、何もしないでポコポコ骨が出てくるエドモントサウルスや、状態のいい化石が多数出土されるコリトサウルスらと比べると、その標本数は彼らの半分にも満たないという。
それでも脚や尻尾の一部を除くほぼ全身の骨格と、前述した個体ごとのトサカの違いが分かる頭蓋骨、そしてメスと思しき骨格など良質な化石は多数見つかっており、それらは今日におけるパラサウロロフスはもちろんのこと、他の鳥脚類の研究に大いに役立っている。
ちなみに名前の由来は先に発見されたトサカのあるハドロサウルス類「サウロロフス」に似ているからというものだが、実際には遠縁の恐竜である。
シリーズにおける活躍[]
前述した通り、彼女は全6作(+1)にわたる映画シリーズにおいて唯一皆勤を成し遂げた恐竜である。
これはシリーズに登場したどの恐竜でも成し得なかった世紀の大偉業である。 (ただし生体以外であればステゴサウルスも該当する)
ジュラシック・パーク[]
シリーズ初登場作。
やっていたことはブラキオサウルスと共に、遠巻きで水を飲んでいた・・・だけである。
127分尺の映画において、出演した時間はおよそ5秒。 これではカップラーメンも作れない。
非常に地味かつどーでもいい出番しか与えられなかった彼女だが、ここから彼女の細く長いシリーズ出演の道が始まったのである。
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク[]
ソルナ島に生息していた個体が登場。 「エルヴィス」という名前が付けられている。
恐竜ハンターに追われた後、首にひもをかけられ苦しそうにもがいていたが、最終的には引っ掛けたロープで足元を取られその場でぶっ倒れた。
ただし死んだわけではなかったようで、サラとニックが開放した恐竜たちが暴れ狂うシーンにしれっと出演している。
ジュラシック・パークⅢ[]
コリトサウルスと共にとある野原でお昼寝をしていた。
背後からヴェロキラプトルが迫ってるのに気づくとすぐに逃げ出したものの、その際近くを走っていたコリトサウルスの1頭に『邪魔だ』といわんばかりに強烈なタックルを喰らわせた。
それ以外だとグラント博士一行が最初に島に来たときの飛行機下の背景として、もう1つはプテラノドンの鳥籠から脱出してすぐのシーンにも出てきている。
ジュラシック・ワールド[]
パークに飼育されている恐竜の1頭として登場。
劇中の活躍一覧 |
ジャイロスフィアが運行しているエリアにて、トリケラトプス・ステゴサウルス・アパトサウルスらと一緒に登場。 恐竜見物を楽しんでいたザックとグレイを楽しませていた。
なお当映画におけるパラサウロロフスは、劇中に登場する個体と、公式サイトに載っているCGデザインの個体とでカラーリングが異なっている。 ブラウンベースのオーソドックスな固体か、チョコラータのような毒々しい固体、どちらのパラサウが素晴らしいのかは、皆様の感性にお任せします。
ジュラシック・ワールド/炎の王国[]
映画が始まっておよそ2時間が経過している段階においても、パラサウロロフスは一向に姿を現さなかった。
あぁ、これでパラサウロロフス皆勤の伝説も終わりを迎えたか、誰もがそう思っていたその時、待たせたなと言わんばかりに彼女は現れた!
背景モブとして[]
これが該当のシーン |
今作における主な活躍はロックウッド邸の地下で、捕らわれた恐竜らと押し合いへし合いしながらもがいているシーンのみである。
なんの前触れもなく現れた彼女を前にして驚いた人も多い、というか恐らく気づいてない人の方が多かったと思われる。(一応ヌブラル島で、ウィートリーらが恐竜を運搬しているシーンにもチラっと出ていた)
どこにいるか分かったあなたは、立派なパラサウマニアです |
ウィットリーら恐竜ハンターの手によって、6頭ほどが島から持ち出されていたらしく、最終的にそれらの個体はロックウッド邸からの脱出に成功、他の恐竜共々どこかへと姿を消した。
Battle at Big Rock[]
エンドロールのおまけ映像として、アメリカ本土に住み着いた個体が登場。
のんびり水を飲んでいるところを、ボートに乗った人たちに見物されていた。
ジュラシック・ワールド/サバイバル・キャンプ[]
予告編に登場。
何故か湖らしきところに入っており、しかもUSJのアトラクションよろしく水中からニュッと出てくる……どころかなんか背中の模様が発光している。(これに関連してか下記のスマホゲームにて登場した第二世代や変異種らしきボス恐竜もまた発光能力を持っている)
なんか神秘的 |
ロスト・ワールド -ジュラシック・パーク2-[]
映画では皆勤だったものの、小説版では記念すべき1作目に出演していない。
代わりに続編にあたる今作より登場、アパトサウルスの群れと共生しており、外敵が来ないか見張り番をしている描写が存在する。 ちなみに彼女らが排泄する糞はとても栄養たっぷりなようで、それは島で一番小さな恐竜「プロコンプソグナトゥス」の食料となっているらしい。
コミックス[]
詳細不明。 知っている方は追記修正願います。
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(AC)[]
ステージの背景にチョロっと登場。 オープニングにもラプトルに襲われる役柄として出演している。
倒すことは出来ないが撃つことは可能。(その際なぜかカルノタウルスの鳴き声を発する)
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(PS)[]
当初は実装予定だったらしいが没となってしまったらしく、ゲーム内では冗談めかして「ラプトルに喰われちゃったから出演できなくなっちゃった! ゴメンね!(意訳)」と説明されている。
Warpath: Jurassic Park[]
生体は登場しないが、アクロカントサウルスのカラバリの1つとして彼女を意識したと思しきものが登場しており、ギャラリーの背景であるビジターセンターの壁画として化石が出ている。
Jurassic Park: Survival[]
出演する予定だったものの、ゲームそのものがポシャったため登場できず。
ジュラシックパークIII・恐竜にあいにいこう[]
飼育可能な恐竜の一種として登場。
経営シミュレーション・ジュラシックパーク[]
飼育可能な恐竜の一種として登場。 始めるゲームデータによっては序盤からお世話になる。
かなり可愛らしい顔をしているが、ビジターからの人気は星5つ中3つと可もなく不可もなくと言った感じ。
Jurassic Park: Explorer[]
とあるミニゲームをクリアすることでCGアートと、彼女の生態を解説したコラムを聞くことができる。
Jurassic Park: The Game[]
ステージギミックとして野生の個体が登場。
そのため敵として立ち向かったり仲間にしたりは出来ないものの、代わりに彼女らが島でどのような生活をし、生態系におけるどの立ち位置を担っているのかが詳しく描写されている。
どうやら普段は群れを成して生活しているらしく、肉食獣に襲われぬよう常に誰かを見張りに立たせる。 ただし相手もそれで見つかるほどおマヌケな相手ではないため、時々異変を察知できなかった見張り役が食われるという事態が発生するらしい・・・。
Jurassic Park: Trespasser[]
野生の個体として登場。
彼女自体は恐ろしい存在ではないものの、その周辺にはティラノサウルスというガチモンにヤバい奴が彷徨いているため、パラサウを見たらもれなく血に飢えた肉食獣がいるということをしっかり覚えておこう。
ジュラシックパーク・ビルダー[]
飼育可能な恐竜の一種として登場。
Jurassic World™: ザ·ゲーム[]
スーパーレアの草食恐竜として参戦。 解禁するためにはイベント戦「大地を揺らせ」をクリアするか、スーパーレアが封入されたカードパックを開ける必要がある。
今まで見せてきたひ弱そうというイメージとは裏腹に攻撃力が高めに設定されており、あのアンキロサウルスやステゴサウルスよりもパワーがある。 体力も言うほど低いわけではないため、パーティの一員として十分な戦果を上げてくれる。
2020年9月18日付より、全身の模様が紫に発光する新種こと「パラサウロロフス 第2世代」が実装された。 こちらはトーナメントを勝ち抜くことで解禁可能。
LEGO Jurassic World[]
ジュラシック・ワールドステージにのみ登場。
映画でやったことをレゴ特有のコミカル演出で再現する、いわゆる背景モブ的な扱いしか受けていない・・・かと思いきや、後々プレイアブル化して操作することが可能となる。
Jurassic World アライブ![]
お出かけすると出会える恐竜として出現。 レアリティは「ノーマル」
序盤に手に入る恐竜としては珍しいヒーリング技を覚えているが、それ以外の能力はお世辞にもいいとは言えないため、戦闘で活躍してくれるかと言われると「う〜ん」と言わざるを得ない。ただし彼女を用いたハイブリッド恐竜は攻守回復ともにとても強力であるため集める価値はある。
ここ最近になって「パラサウロロフス・ラックス」という名の新種が登場した。
ジュラシックワールド・エボリューション[]
飼育可能な恐竜の一種として登場。 イスラ・タカニョ島を解禁すると、とある発掘地で化石が手に入り十分なゲノムデータを集めることでパークに展示することができる。
つぶらな瞳を持つかわいい恐竜で、同種・多種問わず非常に多くの恐竜と共存できるが、素の人気は低めである。 (また肉食恐竜も、コンピーを除いて相性が最悪である)
ちなみに彼女はトレーラーなどにおいて、肉食恐竜に襲われている率が高い恐竜であり、ティラノサウルスとヴェロキラプトル、アルバートサウルスの計3頭に襲われ、うち2回は食われている。
ジュラシックワールド・エボリューション2[]
飼育可能な恐竜として続投。 またしても予告編で食われている。
アピール値は低い、つまり人気がないのだが全く攻略に使えないわけではない。 どうしても必要かと言われると「う〜ん...」となるが、それはパラサウロロフスに限っての話ではないため、別に問題はない。(?)
ジュラシックパーク・ザ・ライド[]
アトラクションのギミックとして登場。 昔の定説を採用したのか、水中より姿を現す。
Jurassic World: The Ride[]
先代アトラクションに登場した多くの恐竜がオミットされた中で、彼女は数少ない続投組として登場。
相変わらず水中より姿を現して水をぶっかけるという時代錯誤な生活を送っており、制作側の裏事情を覗かせるのに一役買っているが、後々本編においても水中で生活する個体が現れたのでシリーズにおいてはそこまで変な描写ではなくなった。
ジュラシック・ワールド/新たなる支配者[]
割と早い段階で参加することがアナウンスされていた恐竜で、前作におけるチョイ役とは打って変わって今作ではガッツリ物語に絡むことが示唆されている。
The Lost World Series 1[]
ジュラシック・パークIII(海洋堂)[]
ジュラシック・ワールド[]
「Hero Masher」という玩具レーベルに登場。 妙にコワい顔をしている。
ジュラシック・ワールド/炎の王国[]
様々な玩具が発売されていた。 この内数個は日本の玩具屋でも見ることができた。ジュラシック・ワールド/サバイバル・キャンプ[]
通常種が発売されており、現状パラサウロロフス・ラックスは商品化されていない。
ジュラシック・ワールド/新たなる支配者[]
日本にはまだ未上陸だが、下記の玩具が発売される予定。
脚注[]
- ↑ 両者は「Battle at Big Rock」には出演していない。
ギャラリー[]
・ジュラシック・ワールド[]