概要[]
リチャード・アッテンボロー(Richard Samuel Attenborough)は、イギリス出身の俳優、監督、プロデューサーである。 本名はリチャード・サミュエル・アッテンボローで、ナイトの称号を受けている事から「アッテンボロー男爵(Baron Attenborough)」と呼ばれる事もある。
その生涯[]
1923年8月29日、ケンブリッジのアッテンボロー家の長男として生を受ける。(後に両親が養子を取ったことから、5人兄妹になる) 父は「レスター大学」の学園長で、母親は「Marriage Guidance Council」と呼ばれるイギリス版結婚相談所の設立者であった。
第二次世界大戦時、空軍に所属しており、戦地の様子を映像に収めるカメラマンの仕事をしていた。 そんな生活を送っていた際、たまたま近くにあった撮影所に出向し出演したプロパガンダ映画をきっかけに、映画の世界への興味を抱く様になる。 空軍で働く傍ら、近所の舞台にていくつかの演劇をこなした後に「王立演劇学校」へと入学した。
俳優としてデビューした後は、主に舞台で活躍。 その過程で映画業界にも徐々に足を踏み入れ始め、アクション、コメディ、戦争ものなどジャンルを問わない様々な作品に出演しキャリアを積んでいく。 当wikiを読んでいる方々は「お年を召した姿 = アッテンボロー」のイメージが強いかもしれないが、彼の俳優デビューはなんとビックリ19歳の時なので、件の映画に出演するまでの間、本当に色々な映画に出演している。 若い頃の代表作として 「大脱走」「飛べ!フェニックス」「砲艦サンパブロ」などがある。
80年代からは監督業にも挑戦し、「ガンジー」でメガホンを取ったことを皮切りに「マジック」「遠すぎた橋」「チャーリー」などを制作。 最初にあげたガンジーではアカデミー賞も受賞している。 晩年になってからも俳優業、監督業ともに精力的な活動を続けたものの、2008年に心臓の疾患と脳卒中を引き起こしてからは実質、引退状態となって表舞台に姿を現すことがなくなった。
2014年8月24日死去。 遺骨は後述する長女らの墓地に埋葬され、愛しき家族と共に永遠の眠りについている。
私生活[]
- 妻は女優の「シーラ・シム(1922年6月5日~2016年1月19日)」で、1942年に結婚してから亡くなるまでの72年間、苦楽を共にしてきた。
- スマトラ沖地震で長女と孫娘、義母を亡くしている。
シリーズにおける関わり[]
我らが「ジュラシック・パーク」の主要人物こと「ジョン・ハモンド」を演じていることで知られる。
世界初の恐竜園を作った彼は、ファンからの人気もとても高く、役柄的に恐竜を生み出した存在でもあるためアッテンボローの存在がなければ、当シリーズは今日の様な発展に至っていない。 そう考えると彼はレジェンドを通り越した神の領域に近い存在と言えるかもしれない。
主な出演作品[]
・出演作品[]
公開年 | 邦題
原題 |
役名 | 備考 |
---|---|---|---|
1942 | イン・ウィッチ・ウィ・サーヴ
In Which We Serve |
機関員 | |
1943 | Schweik's New Adventures | 鉄道職員 | |
1944 | The Hundred Pound Window | トミー・ドラッパー | |
1945 | Journey Together | ディヴィッド・ウィルトン | |
1946 | 天国への階段
A Matter of Life and Death |
パイロット | |
School for Secrets | ジャック・アーノルド | ||
1947 | ブライトン・ロック
Brighton Rock |
ピンキー・ブラウン | |
卑怯者
The Man Within |
フランシス・アンドリューズ | ||
1948 | Brighton Rock | ピンキー・ブラウン | |
夜霧の都
London Belongs to Me |
パーシー | ||
The Guinea Pig | ジャック・リード | ||
1949 | 三十六時間
The Lost People |
ジャン | |
Boys in Brown | ジャッキー・ノーレス | ||
1950 | 暁の出航
Morning Departure |
機関員 | |
1951 | Hell Is Sold Out | ピール・ボーネット | |
The Magic Box | ジャック・カーター | ||
1952 | エイト・オクロック・ウォーク
Eight O’Clock Walk |
トーマス・レスリー・マニング | |
封鎖作戦
Gift Horse |
ダニエルズ | ||
1954 | Eight O'Clock Walk | トーマス | |
1955 | The Ship That Died of Shame | ジョージ・ホーキンス | |
1956 | 歩兵の前進
Private's Progress |
パーシヴァル・ヘンリー・コックス | |
The Baby and the Battleship | ノッカー・ホワイト | ||
1958 | 激戦ダンケルク
Dunkirk |
ジョン・ホールデン | |
The Man Upstairs | ピーター・ワトソン | ||
熱砂の海
Sea of Sand |
ブロディ | ||
1959 | Danger Within | フィリップス | |
I'm All Right Jack | シドニー | ||
Jet Storm | アーネスト・ティラー | ||
SOS Pacific | ホイットニー・ミューレン | ||
1960 | The Angry Silence | トム・カーティス | |
紳士同盟
The League of Gentlemen |
レキシー | ||
Upgreen – And at 'Em | |||
1962 | Only Two Can Play | ギャレス・L・プロパード | |
The L-Shaped Room | |||
All Night Long | ロッド・ハミルトン | ||
トライアル・アンド・エラー
Trial and Error/The Dock Brief |
ハーバート | ||
1963 | 大脱走
The Great Escape |
ロジャー・バートレット | |
1964 | The Third Secret | ゴーマン | |
Séance on a Wet Afternoon | ビリー・サヴェージ | ||
バタシの鬼軍曹
Guns at Batasi |
ローダーデール曹長 | ||
1965 | 飛べ!フェニックス
The Flight of the Phoenix |
ルー・モラン | |
1966 | 砲艦サンパブロ
The Sand Pebbles |
フレンチー・バーゴイン | |
1967 | ドリトル先生不思議な旅
Doctor Dolittle |
アルバート・ブロッサム | |
おかしな夫婦・大逆転!?
The Bliss of Mrs. Blossom |
ロバート・ブルーム | ||
1968 | Only When I Larf | シラーズ | |
The Bliss of Mrs. Blossom | ロバート・ブロッサム | ||
1969 | マジック・クリスチャン
The Magic Christian |
||
さすらいの旅路
David Copperfield |
Mr. Tungay | テレビ映画 | |
1970 | 最後の手榴弾
The Last Grenade |
チャールズ・ホワイトリー将軍 | |
Loot | |||
A Severed Head | アンダーソン | ||
1971 | 10番街の殺人
10 Rillington Place |
ジョン・レジナルド・クリスチャン | |
1972 | Cup Glory | ナレーター | |
Young Winston | |||
1974 | そして誰もいなくなった
And Then There Were None |
アーサー・キャノン判事 | |
1975 | ローズバッド
Rosebud |
エドワード・スロート | |
ブラニガン
Brannigan |
チャールズ・スワン警視長 | ||
軍旗の陰影
Conduct Unbecoming |
ライオネル・E・ローチ | ||
1977 | Shatranj Ke Khilari | Sir James Outram, 1st Baronet | |
1979 | ヒューマン・ファクター
The Human Factor |
ジョン・デイントリー大佐 | |
1993 | ジュラシック・パーク
Jurassic Park |
ジョン・ハモンド | |
1994 | 34丁目の奇跡
Miracle on 34th Street |
クリス・クリングル | |
1996 | ハムレット
Hamlet |
英国大使 | |
1997 | ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク
The Lost World: Jurassic Park |
ジョン・ハモンド | |
1998 | エリザベス
Elizabeth |
初代バーリー男爵ウィリアム・セシル |
監督作品[編集][]
公開年 | 邦題
原題 |
備考 |
---|---|---|
1969 | 素晴らしき戦争
Oh! What A Lovely War |
|
1972 | 戦争と冒険
Young Winston |
|
1977 | 遠すぎた橋
A Bridge Too Far |
|
1978 | マジック
Magic |
|
1982 | ガンジー
Gandhi |
兼製作
アカデミー監督賞 受賞 |
1985 | コーラスライン
A Chorus Line |
|
1987 | 遠い夜明け
Cry Freedom |
|
1992 | チャーリー
Chaplin |
兼製作 |
1993 | 永遠の愛に生きて
Shadowlands |
兼製作 |
1996 | ラブ・アンド・ウォー
In Love and War |
兼製作 |
1999 | グレイ・オウル
Grey Owl |
|
2007 | あの日の指輪を待つきみへ
Closing the Ring |
兼製作 |
トリビア[]
- ジュラシック・パークⅢ、ジュラシック・ワールドにてカムバックする噂があったが、前者はスケジュールの都合、後者は亡くなったことから実現不可能となった。